北信 大渚山 (1570m) 2010年10月9日

所要時間 6:13 湯峠−−7:00 大渚山−−7:30 湯峠

概要

 湯峠から往復。地形図では最高点西の三角点が山頂となっているが、山名事典では最高点が山頂。今回は最高点に登ったため三角点には行っていないが「展望台」の標識で途中に分岐があったため、三角点まで道があると思われる。湯峠から山頂まできれいに刈り払われた登山道で手入れが行き届いている。山頂は樹林が切れて展望が良さそうだったがガスって何も見えなかった。



 大渚山は雨飾山の南方にあり、登山口は雨飾山の登山口に至る林道のもう少し先にある。標高は1500mを越えてあの界隈では高い方で目立つ山だ。最近まで登山道があるとは知らずに登るなら残雪期だなぁと考えていたが、地形図を見たら破線が書かれていた。そしてエアリアマップには赤実線が書かれているのを見て、初めてちゃんとした登山道が存在するのを知った。登山口は林道が通る湯峠で、標高は約1300mあるので楽に登ることが可能だから、どこか本格的な山に登った翌日の山でちょうど良い。

 前穂、明神岳と日帰り往復した後、翌日は長野北部なら午前中くらいは雨が降らないとの予報で、できるだけ北上できて楽な山を探したら大渚山が思い浮かんだ。標高差で300m弱ほどだから短時間で往復でき、雨に濡れる前に下山できるだろう。

 いつもの竜島温泉で体を温め、波田町市街のスーパーで買い物を済ませて北上する。何度も通った道なのでロードマップを見るまでもなくトンネルの隙間の小谷温泉入口で右折、どんどん高度を上げて温泉街を通過、妙高市へ抜ける林道分岐も通過してさらに林道を進み、雨飾山駐車場分岐を過ぎてなおも直進、まだ舗装が続いており安心して走行できた。一番標高が上がった場所がが湯峠で、左手には広い駐車場があった。もちろん平日夜は無人であった。既に南風が強くなり始め、星も全く見えない空で明日の天候が思いやられる。なんとか雨が降る前に片付けたいな。

湯峠駐車場 湯峠の大渚山登山口

 酒を飲んで寝てまだ真っ暗な時間に目覚めると車の屋根を叩く雨粒の音。予報と違って夜明け前から雨になっていた。完全にやる気無しモードだが、ここまで来てそのまま帰るのはもったいないし、山頂往復は1時間強程度だろうからゴアを着て空身で往復してもいいだろう。明日も雨模様の天気予報で回復するのは連休最終日だけとのことで、ここを登ったら東京に帰る予定であり、連休中の山登りはおしまいにするつもりだ。だったら2日ものんびりする前に雨の中でも登ってよかろう。

 充分明るくなってから行動開始、少し雨が弱まってきたようだ。最初から上下のゴアを着て足元はスパッツで固める。南風が強く雨だけでなく木の葉に付着した水滴も盛大に落ちてくる。

最初から最後までいい道が続く 濡れた笹があるが体には触れない

 登山口は駐車場脇にあり分かりやすい。あまりメジャーな山とも思えず登山道の整備状況が心配であったが、入口からよく刈り払われて手入れが行き届いているようだった。意外に登られているのかもしれない。最初からブナ林が始まり、地面付近は緑の笹と潅木が覆っている。冬の雪の多さを考えれば当然の植生だろう。

鞍部付近。紅葉している 途中にはこんな標識がある
山頂方面。ガスで見えない 1365m峰を振り返る

 地図はエアリアマップを持ってきたが雨が降っていては途中で広げるのも面倒で、登山道がどんな地形のところに付いているのか予習は全くしていなかったこともあってこの先どんなところを登るのかが皆目分からない。たぶんなだらかな稜線を山頂まで登るのだろうと勝手に想像していたが、しばらく登ったら下り坂になった。あれまあ、ニセピークがあるのか。雨が降ってガスに煙っているのであまり遠望は利かないが、行く先に山頂らしきピークが見えていた。あの斜面に取り付いてからが本当の登りのようだ。

登りが始まる ベンチから見た天狗原山、金山
ベンチから見た雨飾山 高度が上がると樹林が低くなる

 鞍部付近もブナ林が続き、かなり紅葉が進んでいるがピークはまだ先で1週間後くらいだろうか。登りにかかるとこれまでの緩やかな登りとは違ってグングン高度を上げていく。ゴアを着ているので運動密度が高いとたちまち汗びっしょりになってしまうが、この頃になると雨が小降りになっており、前をはだけても体が濡れるほどではなくなっていて、少しペースを落としつつ登っていった。途中、ベンチがある小さな肩があり、そこで樹林が開けてガスがかかった雨飾山と天狗原山、金山付近が見えた。ここで雨なのだから昨日の穂高も雨だろうな。まさか雪だったりして。でも南風だから雨の可能性が高いかな。

 さらに登ると傾斜が緩み平坦な稜線となる。ここまで来ると大きなブナは見られなくなり背の低い潅木類が多くなるが、登山道の刈り払いは相変わらず立派だ。横歩きになったのでそろそろ山頂かと思ったらその先でもう1段登らされる。

平坦地からもう一登り 展望台/山頂分岐

 再び傾斜が緩んだところで道が分岐、さび付いた標識で文字が判別しにくいが、どうも直進が「頂上」で左は「展望台」らしい。今回はGPSを持ってきており山頂までの距離を見ると西に数10mしかなく「頂上」の標識が示すのが山頂らしい。展望台がどこにあるのかは知らなかったが、帰ってからネットで検索したところ、西方の三角点ピークに山頂標識と展望台を兼ねた東屋(それとも避難小屋?)があるとのことだった。

大渚山山頂(最高峰である東峰) 山頂の傾いたベンチ

 分岐から僅かに登るとあっという間に大渚山最高点に到着した。山頂付近は樹林が切れて明るい場所だが今はガスにまかれて展望皆無だ。たぶん晴れていれば360度の展望が得られそうだ。山頂には傾いたベンチと三角点と似た標石が立っていたが、どんな文字が掘られているのかよく見えなかった。御陵三角点? この頃には雨は止んでいたが相変わらず南風が強い。

 展望が無いのでは山頂に留まっても意味がなく即下山開始。この天気では誰も登ってくる人はおらず、逸れ違う人がいないまま登山口に到着、車も増えていなかった。 

 

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